\おかげさまで10周年!/オフィス照明LED化の立役者をご存じですか?
こんにちは!ウラナレ編集部です💡
2023年、1本目の記事です!今年もたくさん読み応えたえのあるウラガワを発信していくことを目標に 頑張りますよ~!🗻
さて、新しく始まった2023年。皆さんはどんな1年にしたいですか?
年始には今年1年の目標を立てた方も多いのではないでしょうか。
何かの節目にリセットして、少しずつ自ら進化させて生きようとする私たち――。とりわけ、1年の始まりは毎年新しく生まれ変われるような気がしてとてもワクワクしますよね!
実は今回ご紹介するお話も、長年にわたって「進化」を続けてきたとある商品のお話です。
皆さんは、自分が普段通っている会社や施設の天井に設置されている「照明」をまじまじと見たことはありますか?
おそらく、「そんなの気にしたことなかった!」という人が大半なのではないでしょうか。
そんな、普段あまり注目されない施設照明ですが、この10年に渡って人知れず「進化」を続けているのです!
さて、今日の記事の主役は、“一体型”のLED照明「iDシリーズ」!
実は2012年12月10日に発売して以降、パナソニックが手掛ける法人向け商材の中でも、非常に売れ筋の商品です!
そして発売から10年を迎えた現在、累計販売台数は5,000万台を突破!ビルやオフィスなんかにもよく導入されている、実はどこでも見かけられる身近な商品だったりするんですよ!
今回は、10年にわたって電気工事士さんたちの現場で支持を集めている「iDシリーズ」の魅力と、技術に裏打ちされたそのスゴさの秘密に迫ります。
徹底した施工性・信頼性へのこだわり
身近にある施設や店舗、オフィスの照明器具は、ひと昔前までは蛍光灯が主流でしたが、温暖化対策として、2016年に政府が2030年度をメドにすべての照明器具をLEDに置き換える目標を定めて以降、LED化が進んでいます。
そういわれてみれば、「学校やオフィスで一本だけチカチカしている蛍光灯が気になる…」ということも少なくなったのではないでしょうか?
LED化が進み、照明器具の寿命が長くなった現在では、そんな場面に遭遇することはほとんど無くなりました。
蛍光灯からLEDへの置き換えは、住宅用の照明の場合には、ランプを交換するだけだったり、器具ごと交換する場合でも工事の必要がない場合が多いのですが…細長い棒状の“直管形”の場合には施工上の注意が必要です。
もう少し詳しく説明していきましょう。
当時すでに一般的に普及していた直管形のLEDランプは、「G13」という口金タイプ。
口金形状を含むサイズ的には直管形蛍光灯と互換性はあるものの、内蔵された電源回路や電気接続方法、寿命、性能面において蛍光ランプとは異なる点も多く、例えば100Vの電圧が伝わるとショートや火災の原因になるなどの欠点が多くありました。
そのため、蛍光灯の口金をそのまま使用するには、「安定器」と呼ばれる器具内部の装置を取り外して、LED用に改造する必要があります。
ここでガイドに則った改造を行わずに使用すると、発煙・発火などの事故につながる危険性が…!そのため、業界団体である日本照明工業会もランプ交換ではなく、照明器具ごと交換することを推奨しています。
とはいえ、ひとつの建物にいくつも設置されている照明器具…全て器具改造工事をするとなると、非常に大変な作業であることが伺えます。
そこでパナソニックが挑んだのは、施設向けLEDの新たな業界のスタンダード商品の開発。
そうして生まれたのが「iDシリーズ」なのです!
「iDシリーズ」の特徴は、本体器具+"ライトバー”と呼ばれる光源から構成される点。それぞれのパーツの組み合わせにより多彩なバリエーションの照明演出を実現することもできます。
電源部分をライトバー側に組み込んだ設計により、直管形LEDに交換する際も既設器具の改造を必要とせずに器具ごと交換する方法に転換させたという点が画期的でした。
「iDシリーズ」のプロジェクトがスタートしたのは、発売のわずか半年前の2012年5月ごろ。当時から開発に携わっている担当者は、初期の苦労を次のように振り返ります。
ベースライト+ライトバーというiDシリーズの原型となるイメージの発想に至るまでが難しかったです。
プロジェクトは、LED照明の新ベーシックとなる商品を掲げていました。
構造は全くのゼロベースでしたので、四六時中考え続けて、イメージが湧くたびメモに残すなかで、過去の蛍光灯器具の部品イメージ+LED光源の構想がひらめきました。それを突き詰めていったなかで、iDシリーズの原型に辿り着いたんです。
2000年から蛍光灯器具の開発を担当していますが、それ以前も蛍光灯器具の開発部門とは同じフロアでしたので、器具の構造などを多少知っていたことがヒントになりました。
器具としてのイメージや方向性が固まった後も、それを実際に具体化していくプロセスは難題の連続だったといいます・・・製品化にあたって特に難しかったこととして次のように回想しました。
イメージが固まっても、実際にライトバーを本体にどのように取り付けるかまではまったく考えていなかったため、それをどう実現していくかというやり方が難しかったです。
いろいろなアイデアがあるなかで、それらを品質的にうまく実現するのも試行錯誤した部分でした。
現場の電気工事士さんお墨付き!?LEDならではのラクラク施工
直管形LEDを交換する時に、電気工事士の方々が重視するのは“施工性”=取り付けやすさです。
「iDシリーズ」で、本体にライトバーを取り付ける方法として発売当初から採用しているのが“キックバネ”と呼ばれる方式。バネと金具で引っ掛けてライトバーを本体側に引き上げるという仕組みで、工具を使う必要がなく、スピーディーな作業が可能です。
この方式により、薄型形状で空間にすっきりと収まり、器具表面にもネジやラッチがないシンプルなデザインを実現しているのも特長ですが、この仕組みも技術的に試行錯誤を重ねた部分だったといいます。
本体を取り付けて、ライトバーを引っ掛けて引き上げるまでに薄い本体の中でバネが収まるようにしなければなりませんでした。
本体自体の高さは極力低くしたいので、今までの構造だとバネが収納できないんです。
引き上げる時にバネが当たらない形状にするにはどうしたらいいのか、どういうバネを採用したらよいのか、CAD上でバネの軌跡をシミュレーションしたり、バネの形状を検討したり・・・いろいろと試作もしました。
最終的に採用したコイル状のバネに至るまでに、何度も試行錯誤を繰り返したのでバネの構造は苦労したところですね。
そして、発売まで残り1ヶ月という11月に行われた展示会でようやくお披露目された「iDシリーズ」でしたが、この段階で工事店から痛恨の指摘があったといいます。
iDシリーズでは、天井裏からの電源ケーブルは本体側の端子台に接続する形式になっているのですが、実は発売前のこの時点では端子台がライトバーに設けられていました。
端子台が本体側にある場合、電源線を接続した際に余っている部分を天井裏側に押し戻して電源線が固定された状態になるのですが、ライトバー側にあると電源線を長めの状態にしてつなぐ必要があり、ライトバーをバネで引き上げて本体側に収納する際に電源線が邪魔になってしまいます。
この点が、施工上手間がかかかるという理由から、発売直前であったにもかかわらず、急きょ設計を変更してなんとか12月の発売に間に合わせたエピソードがあるほど、施工性には徹底してこだわっています。
このように施工性にこだわる「iDシリーズ」では、その後もコネクタ接続の改善や、配線方式など細かな点で改善と改良を重ねて進化を続けています。
例えば2019年には、既存の吊りボルトをカットしたり、継ぎ足しや交換が不要な仕様を採用した、リニューアル施工専用の器具本体も新たに発売しています。
省エネ性の追求&ラインナップの拡充を続ける10年の歩み
「iDシリーズ」の最新モデルでは、なんと直管形蛍光灯に比べて約60%も消費電力がカットされています。
消費効率は2012年の初代モデルで1Wあたり110.6lm(ルーメン)※。
その後も2014年に160.4lm、2015年に180.2lm、2017年に190.2lm、2019年以降は193.9lmと、倍近くまで省エネ性能も目覚ましく向上しています。
その理由の1つには、新たに「省エネタイプ」という品種をラインアップに追加したことがあげられます。
こちらは一般タイプのライトバーの中に反射率の高いシートを貼り、さらに専用の電源やLEDモジュールを開発したことで商品化することができました。
また一般タイプ・省エネタイプともに、見た目は維持しながらカバーの透過率を高めるなどの地道な改善や工夫を積み重ね、省エネ性を格段に上げることができました。
さらに器具本体は約100品番、ライトバーは約440品番の品揃えで、なんと約4万通りの組み合わせを場所や用途に合わせて選ぶことが可能なんです!
日本照明工業会の計画によると、国内の照明器具は2030年までにすべてLED化することを目標としています。
既に街中の施設や店舗・オフィスで見かける名も知らない一体型LEDは「iDシリーズ」かもしれませんよ!
すっきりとスタイリッシュな外観のウラガワには、直管形LEDの速やかな普及促進を目指してこだわった施工性、省エネ性の秘密が実はたっぷりと詰まっているのです。
それもこれも、すべて10年間にわたって、現場の声をもとに改良を続けてきた結果・・・まさに、「継続は力なり」!
1年のはじまりに定めた目標は、1日1日どう挑むのかが鍵だということを思い知らされました…
今年も、皆さまにとって素敵な1年でありますように!