電気工事の現場に〝DX化〟の波が到来!施工管理アプリ「KANNA」を推す理由
この猛暑の中、もし電気が使えなくなったら…と想像できますか?電気がなければ動かないエアコンも冷蔵庫も止まってしまったら…
恐ろしいと思う私たち、もう電気なしの生活など考えられませんね。
普段何気なく使っている電化製品を安心して利用するなど、私たちの当たり前の生活のウラには、電気工事業者さんのサポートは欠かせません。
しかしそんな電気工事業界は人材不足が深刻な問題。
このままでは、エアコンが故障したと連絡しても、施工は1か月待ち…なんていう未来が訪れるかもしれないのです。
とはいえ、朗報も。
電気工事業界にもDX化の波が!
その担い手として期待されるのが、施工管理アプリ「KANNA(カンナ)」。他社のアプリを紹介?いやいやそんなわけがありません。
パナソニックも深く深くかかわっているのです。
施工管理アプリ「KANNA」は電気工事士のミカタ
2019年に創業したばかりのベンチャー企業、株式会社アルダグラムが開発・運用している「KANNA」。建設業、不動産業、製造業など、世界中のノンデスクワーク業界における現場の生産性アップを実現する「プロジェクト管理アプリ」です。
iOS、Android スマホ、PC、タブレットに対応し、ブラウザ版も用意されているので、スマホでもタブレットでもいつでもどこでも見られる。
「いつでもどこでも見られる」なんて当たり前だと思われてしまうかもしれませんが、この業界では革新的。
操作はLINEなどの私たちに身近なSNSに近く、社員同士でのチャットや、図面共有や報告書のカスタマイズも簡単。単なる施工管理アプリではなく、情報共有の軸になってくれる優れものです。
共通の業界課題を持った「KANNA」とパナソニック
以前ご紹介した、パナソニック エレクトリックワークス社が昨年2021年からスタートしたアクセラレータープログラム。
スタートアップを支援しながら、自社のイノベーションを創り出すこのプログラムでサポート企業に選ばれ協業が進んでいる8社の中の1社がアルダグラム社。
本プログラムの募集内容が、アルダグラム社が業界課題として感じていたこと、解決したいことと一致していたことで、参加する意味を見出してもらえました。
21年11月から今年3月までの本プログラムでは、EW社からは両社の連携役となる〝パナソニック カタリスト〟が選出され、同時にEW社の幹部もメンターとしてプログラムに参加しました。
現場の声から分かるDX化の必要性
実は、このプログラム参加前から「KANNA」を運営していたアルダグラム社。そのため、開発に力を入れるよりも実際に電気工事会社のみなさんに「KANNA」を使っていただくことが、アクセラレータプログラムの主眼になりました。
ということもありパナソニックカタリストは、パナソニックの「エキスパート工事店」である埼玉県・川口市にある増渕電気さんと神奈川県・川崎市にある若月電業さんに「KANNA」をご紹介しました。
有限会社増渕電気は、創業社長から2006年に現社長の今村勝也さんが事業継承した、社員4名の会社。
2014年にパナソニックの「エキスパート工事店」となり、脱下請けを目指し経営改革を進め、徐々にお客さんから直接依頼を受ける案件を増やしてきました。
しかしアナログ対応が基本のこの業界。
お客さんが増えるにつれて社長の手帳は予定で埋め尽くされ、問い合わせの電話が常に鳴り、見積もりや連絡をするにも手一杯。また、経理を担当する奥さまと社長はとても仲の良いご夫婦ですが、情報を知らされていないことや取り違いからぶつかることも多かったよう。
ですが、2022年2月に「KANNA」を導入すると、状況が一変したといいます。
「KANNA」導入後の業務効率はぐんぐん向上していき、奥さまとのコミュニケーションもより一層スムーズに取れるようになるなど良いこと尽くし。
「KANNA」で工事の事例が整理できるので、instagramやfacebookへのアップも簡単になりお客さまのリピート率も向上。さらに最近は新規のお客さまがより増えているそうです。
次にお話をお聞きしたのは、創業から50年の老舗の電気工事会社、若月電業有限会社。社長の船田勝利さんを筆頭に社員10名の会社です。
「KANNA」を使い始めてからは待ち時間に外出先でデータを入力したり、隙間時間に打ち合わせができるようになり、違う現場の準備や段取りもスムーズになったそうです。
現場写真を共有することで作業工程をどこからでも確認できるようになり、さらに、社員同士のコミュニケーションが良くなったと船田社長は感じています。
〝電気工事業界の人手不足解消に役立ちたい〟という想い
アクセラレータプログラムを通じて、電気工事業者のみなさんと現場をともにすることで、EW社とアルダグラム社はより強い信頼関係を築いていきました。
特に現場で協業した、パナソニック カタリストの石神理希はそもそもなぜカタリストとしてアクセラレータープログラムに参加することにしたのでしょうか。
カタリストとしての今回の経験からどのように業務に生かしていくのでしょうか。
このようなアルダグラム社の真摯な姿勢には、石神をサポートする営業企画の根本こず恵も感化されたと言います。
そんなカタリストの石神と根本がつむいだ、パナソニックとアルダグラム社、電気工事業業界との絆。アルダグラム社の伊東伸司さんと、藤田さん、尾崎さんもパナソニックの考え方に深い感銘を受けたそうです。
プログラムに途中から参加した尾崎さんも、私たちの考え方に共感していただけました。
EW社とアルダグラム社が共感しあい、同じビジョンを持っていたからこそ叶ったこの出てきた一致団結力。そしてそこに電気工事業者のみなさまの熱意が合わさって、KANNAを使ったDX化への取り組みは、無事目的を果たすことになったのです。
2021年度にアクセラレータープログラムの中心メンバーであった、パナソニックの戸屋 祐一は、成功の理由をこう考えています。
電気工事業の現場で、経理で、〝DX化〟は待ったなし!
少子高齢化による労働者不足は、電気工事業界の抱える未来への課題。
国土交通省の「建設工事統計調査」によると、2015年の電気工事就労者数は総数37万5000人と推定され、平均年齢が46.6歳、就労者数が一番多いのは40歳~44歳。
しかし2030年になると電気工事就労者数は総数29万6000人へと減少すると予測されています。平均年齢は48.1歳となり、就労者数が一番多いのは55歳~59歳。つまり、2015年から全体的に15年分高齢化するイメージでしょうか。
そんな中、増渕電気さんと若月電業さんの社内で起きた改革は、電気工事業界に差す光明と言えるかもしれません。
EW社の石神は、こう考えています。
さらに、アルダグラム社の伊東さん、藤田さんは、パナソニックのアクセラレータプログラムを終えた今、次の展開に期待しているそうです。
KANNAの存在は、電気工事業界に差し込んだような新たな光になるかもしれない。是非多くの電気工事業界の方に使っていただきたいと思っています。
業界の課題を真剣に考え、よりよくしていく。
さまざまな立場のさまざまな視点から同じ方向を見つめ、
それぞれの強みを持ち寄ることで、未来がちょっと明るくなることがある。