あなたの街の夜景が話題スポットに!?照明で演出する新しい街づくり
お盆が明けて9月も目前。まだまだ暑い日が続いていますが…この暑さを乗り越えれば、みんなが大好きな秋がやってきます!
秋といえば、夜長を楽しめる時期!日が暮れてからのお出かけも、風情があっていいですよね。
日中とは違うライトアップされた街の雰囲気を楽しむのもよいのではないでしょうか✨
そんな夜だけの街の楽しみ方を、パナソニックが得意の照明技術で変えようとしています。
光を使ってブランディングも!?街演出クラウドサービス「YOI-en」の舞台裏
私たちパナソニックが提案する新しい夜の街演出システム…その名は「YOI-en(ヨイエン)」。
YOI-enは「宵(夜の初め)」と「縁(繋がる)」を組み合わせた造語。
「良い縁」にも通じ、陽気で賑やかな雰囲気や、人と人との出会いやコミュニケーション、そして街と人との縁を促そうとする思いを込めています。
YOI-enは建物や公園などの空間を照明で彩ることで、街そのものが光による表現の場となるサービスなんです。
2022年10月に東京・有明の「パナソニックセンター東京」、2022年11月に京都の「NAKEDヨルモウデ2022平安神宮」、2023年2月に北海道の「サッポロアートキャンプ」などでお披露目しており、建物全体や、地域の一部を照明で美しくライトアップしました。
建造物と光を組み合わせた演出そのものは、私達の身の回りに以前から存在しています。
小さな電球を使った商店街のイルミネーションや、色付き蛍光灯によるネオン、東京スカイツリーに代表されるライトアップ、最近ではプロジェクションマッピングなどもその部類に入るでしょう。
これらは街や施設の活性化、ムード作り、注意喚起、道先案内など、シーンに応じて様々な役目を担っています。
YOI-enはこれら従来の照明演出を進化させた、新しい演出技術なのです。
進化のポイントは、大きく3つあります。
1つめは、単色からフルカラーまで幅広い色調で点灯し、オリジナルのコンテンツを演出することで、新たな体験価値を生み出しているという点。
2つめはお客様のパソコンで演出の実施や管理ができるようになったこと。
従来、演出の設定を行う際には専門的なスキルが必要でしたが、YOI-enでは、一般的なパソコン操作で演出の設定はもちろん、変更・管理も行えるようになっています。
さらに、定期的なイベントや季節・時間に合わせて自動で演出するスケジュール設定や、演出コンテンツを選択するだけでスケジュールに割り込む設定なども備えており、ニーズに応じてフレキシブルに利用できます。
3つめは多拠点や遠隔地からでも照明演出を制御できること。
照明と制御システム(コントローラと信号変換器)はクラウド経由でつながっているため、ノートPCと通信環境さえあれば現場から離れた出張先からでも簡単に操作可能です。
有線でつなぐ必要がないため、YOI-enを展開する場所は大きな通りの両側や、川の両岸といった、従来難しいシチュエーションでもまったく問題ありません。東名阪など広域に点在する拠点で連携する演出にも対応します。
また、新たにYOI-enをスマートフォンから操作するコンテンツ「YOI-iro」も開発し、一般の方が簡易に操作できるようになっています
なお、YOI-enで利用する照明は、街灯などの明かりの役目もしています。
普段から人々の暮らしを照らしながら、イベント時などには街全体をあかりの力で盛り上げる。
YOI-enは、365日楽しめる街づくりのお手伝いをしているんです!
『推し活』にもピッタリ!ライトアップの新しい醍醐味
こうした技術的なアドバンテージにより、従来の照明演出で行えた認知やブランディングの向上、あるいは社会的メッセージの発信等はより効果的に実現可能になり、それに加えて新たな体験価値も提供できるようになっています。
パナソニックではYOI-enで、以下のようなコンテンツを展開しています。
★四季に合わせた季節感を演出する「シーズンカラー」
★社会運動への支援や賛同などのメッセージに利用する「アウェアネスカラー」
★照明で人の行動と心理に働きかけて誘導や回遊を促す「アフォーダンスライティング」
★街の来訪者が自分のスマートフォンでライトアップを操作する「YOI-iro」
YOI-enが初めて一般の目に触れたのは、先述のパナソニックセンター東京ですが、YOI-iroが登場したのは、翌月の平安神宮でのイベントからでした。
来場者が楽しめる仕掛けが何かできないかと考え、来場者が自分のスマートフォンでライトアップの明かりの色を操作できれば面白いのではないかとのアイデアが出ました。そこからはハイスピードで進み、ゴーサインが出てから完成するまでは、なんとわずか1~2ヶ月!
続くサッポロアートキャンプのイベントでは、イベントの運営サイドの人たちと一緒にアイデアを深掘りし、「相性占い」のコンテンツを作りました。
これはイベント参加者が自分のスマートフォンで二次元コードを読み取り、自分と相手の誕生月を送信することで、花占いの結果とともに花の色で雪景色がライトアップされるというもの。
自分の誕生日と好きなアイドルの誕生日を指定して関連グッズと一緒に撮影する人も現れ、思わぬところで「推し活ライトアップ」が生まれる場面までありました!
パブリックな空間を自分だけが支配する快感だけでなく、「こういう楽しみ方もできるのか」と、まさにユーザーに教えられたかたちです。
未来の屋外照明の可能性は無限大!
パナソニックでは、YOI-enを体験できる場を、大阪府門真市の本社構内に設け「YOI-en Field」と名付けました。構内を1つの街に見立て、社屋前の桜並木、芝生広場、エントランスの3つのエリアに合計285基の照明を設置しています。
YOI-en Fieldの点灯時間は日没から22時まで(※)。
桜並木と芝生広場はパナソニックの社員か、敷地内の見学を許可された関係者しか見られませんが、エントランスは公道に面しているため、一般の人にも楽しんでいただけます。
(※)終了時期未定
YOI-en Fieldに取り組み始めたのは、2022年も終わろうとしている12月の半ば。かなりハイピッチなスケジュールでした。
自社の敷地内とはいえ、導入・設置・運用する上で依頼・調整する部門が多岐に渡ったことも大変だったことの一つ。場所の使用や機材の設置、照明の利用などを申請し、演出運用のすりあわせなど、調整は多岐にわたりました。
YOI-enの指揮を執る上野山浩志は、これほど調整が煩雑になるとは思わなかったと振り返ります。
また、東京の標準時間で日没と同時に点灯するスケジュールを組んだため、大阪では30分以上も日没が遅く、日没前に照明が点灯してしまったこともあり、日本の広さを思わぬところで実感する一幕もありました。
ライトアップの力で、365日訪れるたびに感動のある街づくりを
パナソニックではYOI-enを、イベントなどで一時的に使われる明かりではなく、街に恒常的に存在する明かりとして導入されるものにしていきたいと考えています。
「YOI-enがあるから、あの街に遊びに行きたい、YOI-enは私の街の自慢」と言われるようになれば、観光産業の活性化や各都市の再整備における人を中心とした街づくりなどに大きく貢献できるはずです!
YOI-enは街全体を舞台に展開する大掛かりなものから、駅前や公園、大型商業施設、企業の持つ工場などの中規模、さらにはホテルや病院といった1つの建物でも対応できます。
推し活に使うアイデアを紹介したように、ユーザーのアイデア次第で、さまざまな使い方に広がる可能性を秘めています。
上野山と一緒に企画を進める宮本千琴は、「YOI-enを日本各地に広げて、そこを旅したいという夢があります。YOI-enが旅する人、住む人の共通の用語になってくれたらうれしいです」と語ります。
いつの日か、この記事を読んでくれているあなたの街でも、YOI-enが見られるかもしれません。
そうすれば全国を「YOI-en巡り」する人が、国内外からあなたの街を訪れるでしょう。YOI-enと共に育った子どもたちは、やがてYOI-enを故郷の風景の1つにします。
そのように考えると、YOI-enは私たちの未来への道を照らしているように見えませんか?