「安心・安全」な電気💡をインドにお届け!パナソニックインド工場のウラガワに迫る
こんにちは!ウラナレ編集部です!⚡
以前の記事で、パナソニックのコンセントや壁スイッチなどの電材は日本のトップシェアで、なんと約8割を占めるとご紹介しましたよね🔌
でも実はそのシェア率は日本に留まらず、世界規模で見てもなんと第2位のシェアなのです!
世界100カ国で扱いがあり、ASEAN諸国では「安心・安全な電材」として、各国でシェアナンバーワンに輝いています。
そんな中、人口が中国を超え経済的にも急成長を続けるインドにパナソニックの新工場が設立されます!
今回は、パナソニックがインドに工場を新設した理由やその背景をご紹介しましょう。
世界の出火原因トップ3は「電気火災」
パナソニックのコンセントや壁スイッチが世界で評価いただいている理由は「安全性」。
でもコンセントなんて、どこ製でも大きな違いはないんじゃない?
そんなに違いなんてあるの?
なーんて思う人もいるのではないでしょうか。
実はこんなデータがあります。これは総務省消防庁が調べた世界の出火原因をまとめた資料です。
「主な出火原因(ピンクのマーカー)」の欄を見ると、ほとんどの国で電気が関連していることが分かります!
先の説明の通り国内電材の8割はパナソニックがシェアを占めており、パナソニックは電気火災が起きにくい安全な製品づくりを心がけています。
もちろんパナソニックを追従するメーカーも安全性をしっかり担保しなければ勝負になりません。このように日本国内の電材は、パナソニックがけん引する形で安全性の向上が続けられてきました。
具体的には、難燃性の樹脂が使われていたり、スイッチは何回も使っていると接点がすり減るので「銀」を使って強化したり、コンセントの刃をつかむ部分を複雑に加工し、かつ頑丈にして経年劣化を減らすなど、小さなコンセント一つに数々の工夫を盛り込んでいます。
また世界各国では、電線を接続する端子(金属部分)が露出しているコンセントや壁スイッチが主流。
しかし日本では接続部分に穴が開いているだけで、金属の端子は見えないようになっています。ここに被膜を剥いた電線を接続するので、内側にホコリが溜まって発火するトラッキング現象が起きないようになっています。
難燃性の固い樹脂で覆われているので、端子が金属に触れて漏電して出火することもなく安全!
一方ヨーロッパは古い建物が多く、金属端子が露出したコンセントやスイッチを使った家が大半を占めており、漏電火災やトラッキングの原因になっています。
それだけではありません。
金属端子が露出しているタイプのほとんどはねじで電線を止めるようになっていて、施工者の技量が安全を左右します。
日本の穴に差し込むタイプは、何十年というベテランでも今日から現場という新人でも、施工品質は左右されません。技量による安全性のバラつきはなく、すべてが安全な施工に標準化されているのです。
ただ、国によっては「どうしてもねじ止め」という国も。そんなときパナソニックは、「ねじ式だけど金属端子が露出しない」という特殊な形状のコンセントにするなどの工夫を凝らし、安全性を確保しています。
急速に発展するインドのゆがみと政策を支援
2023年、インドは中国の人口14億人を超えて世界一の人口になりました。
さらに経済成長も著しくITマネーが稼ぎ頭となっています。
世界から見ると実感が沸きませんが、マイクロソフト、Google、IBMなどの名だたるIT系企業のトップがインド出身者なのです。
その一方では、廃止されたはずのカースト制(生まれながらにして身分が決まり職業や結婚などその制約を受ける)や民族による差別などが色濃く残り、貧富の差が激しくなっています。
しかも14億の人口は、北部の首都デリーに集中しているため、インド政府は低~中所得者層に対する住宅支援と、人口分散のための交通網の整備をしています。
すでにパナソニックはインド北部と西部に工場を持っています。しかし新たに人口流入と住宅建設ラッシュが見込まれるため、インド南部に新しい工場を設立しました。
安全な電材を普及させるには、製品の品質もさることながら低価格であることも重要。インド国内メーカーの電材に比べ、価格が高過ぎたら商売になりません。
そのため、日本国内向け以上に自動化・合理化が必須に。
南部の新工場は、一部で操業しながら建設を進めていますが、最終的には日本のマザー工場となっている三重県津工場以上に、デジタル化された最先端の工場になっていくことでしょう。
これまでパナソニックは、日本国内だけでなくASEAN各国に安心・安全な電材を届け、各国でトップシェアとなっている国々が多数あります。
これらのノウハウも踏まえて、劣悪なインドの電力事情と戦い、低~中所得者の方々に安心・安全な電気のあるくらしを届けるべく日々開発を続けています。
滞在してわかったインドの危険な電力事情
今回、ウラナレ編集部がインド各地に1週間滞在して驚かされたのが、インドの電力事情…。
まずコンセントには必ずスイッチが設けられていますが、現地スタッフによれば「パソコンはスイッチOFFでコンセントに挿してからスイッチONすること」というのです。
それはなぜでしょう?
日本ならコンセントの電圧は約±7%以下ですが、インドは電圧が不安定。
変な匂いや音がしたらすぐスイッチで切れるようにするためなのです。
また高価なエアコン用のコンセントにはブレーカーが併設されていて電圧の異常ですぐに自動で電源がきれるようになっています。
また視察中には何度も停電に見舞われました。
日本では送電用の高電圧から、家庭に引き込む電圧まで下げる「変圧器」が電柱の上に乗っています。
しかしインドでは手の届く場所に変圧器があり、老朽化も著しいのです。
その上、インドにはごみ焼却施設やごみの回収がうまく機能していないため、市民は川や空地にごみを捨てます。変圧器のまわりは少しスペースがあるので、恰好のごみ捨て場になっており、電気火災になりやすいという問題もありました。
また街では盗電が横行し電線が絡まりあうほど。
どう見ても許容を超えた配線、接続部に負荷をかけている配線があり、電気火災の原因になっているのが火を見るより明らかなのです。
このようにインドの電力事情は、発電、送電の老朽化と、使い方にも問題があるようです。
とある電気屋の店主の話「壊れないし売りやすい」
政府の方針で人口増加と街が急速に発展する、南インドにある電気街を訪ねました。
そこでパナソニックの電材を扱う店主に話を伺うと「ジャスト・イン・タイム」と「長寿命」に驚いていました。
パナソニックはインド国内に工場を設立しただけではありません。
インドの国土は日本の8倍もあり交通網の整備も主要部が完成したばかりで整備半ばです。
インド国内の営業拠点にもストックしているそうですが、ラストワンマイルは大八車や人が担いで納品するというスタイルです。なのに注文してから7日で届くというのは驚きですよね!
さらに今までは北部と西部の工場に在庫を分散していました。
しかし南部工場の新設で、こちらにも分散させています。さらに日本の受注システムをインドにも導入し完全オンライン化。
その上、新設の南部工場は受注システムと生産システムを連動させ、欠品の生産から在庫の分散、はては製造数まで調整可能です。
こうして受注から納品まで一貫したシステム上で「モノ」の流れを管理できるのです。
店主はさらに「売りやすさ」も力説します。
多人種、多言語、多宗教のインドでも「パナソニックは安全で頑丈」という点は意見が一致するようです。
世界で実践する「水道哲学」はモノづくりの基本
パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、まだ電力網の整備がままならない時代の日本で、次のような言葉を残しています。
「ひと様の家先にある水道を勝手に飲んでいる人はたくさんいる。
盗人は「水道が安全」と知っているから盗むのだ。
蛇口の水が危険な場所は多々あるのにだ。
しかも水は生きるのに大切なもので、これを奪い合うことすらある。
でも水道のように豊富であれば多少盗まれたとしても誰も腹を立てない。
安いからだ」
これは「いい製品を安く大量に作れば、人々はそれを手に取ってくれる」というモノづくりの精神を説いたものです。
まさにインドへ進出しようとしているパナソニックは、創業者の言葉通り「安全」な電材を「大量」に生産することで、安心して電気を使えるようにしているのです。そしてその「いい製品」を届ける流通網も、独自のデジタル化したロジスティクスを展開しています。
まさに水道哲学の実践であり、浄水網の整備に他ならないのです。
後編では、工場で働く人々にスポットを当て、インド北部工場の様子をお伝えします。お楽しみに。