あなたの住まいには、どんな種類の照明器具がありますか?
リビングダイニングだと、室内をまんべんなく照らすシーリングライト、おしゃれなペンダントライト、ゴージャスに映えるシャンデリア。
寝室だとムーディなスタンドライトや、枕もとを優しく照らすベッドサイドライトなどなど…お部屋には、様々な照明器具がありますよね!
今回の記事で注目するのは、そんな数ある照明器具の中でも特にシンプルな存在、「ダウンライト」。
天井にすっきり収まり、部屋を広くおしゃれに演出してくれるダウンライトは、最近は住宅での採用が急増中❗なんです。
このシンプルな照明器具において「デザインを進化させよう」というプロジェクトが発足。
そもそもダウンライトにデザイン要素があるの!?という部分から気になりますが……
この取組みについて、パナソニックのデザイナーの吉川に突撃インタビューしてみました。
「小さくする」から「馴染ませる」へ
建築的目線で開発された住宅照明のシリーズ「HomeArchi(ホームアーキ)」の照明器具デザインを担当する吉川。
「灯りが、建築と共鳴する」をコンセプトとして掲げるHomeArchiは、建築家や設計者が理想の空間を創造する際に自由に使える「素材」を提供するべく、光のデザインに徹底的にこだわってきました。
そんなHomeArchiで、「今までに誰も見たことのないコンセプトのダウンライトをつくろう」とプロジェクトがスタートしたそうです。
吉川が憂慮していたのは、小さくなりすぎることで生じる建築現場でのデメリット。
小型化が進むにつれて施工業者さんの手が入りづらくなり、施工品質や施工スピードに悪影響を及ぼしかねません。また、小さな照明器具で明るさを確保しようとすると、ギラつきや眩しさへの心配も増します。
そこで過ごす人がリラックスできない空間になるというリスクがありました。
目指したのは、天井との“境目”のないダウンライト
「馴染ませる」にはどうすれば良いか。吉川は「形状」「光」「色」の3つのポイントにフォーカスしました。
だからといって反射板を取ってしまえば良いという単純な話ではありません。光を広げる役割を持つ反射板をなくすと、光が弱くなり床まで明るさが届きにくくなる――。
そこで、LEDの位置や光の広がり方などを配光設計担当と何度もやりとりし、必要な明るさを確保できるよう試行錯誤を繰り返しました。
従来の反射板を使った構造では、空間を明るく演出できる反面、まぶしさや器具自体のギラつきといった問題が。
存在感を抑えるために、反射板に光を当てない光の広げ方にこだわりました。
またプロダクトの「色」についても、建築トレンドからカラーバリエーションを拡充したそうです。
実際、発売後は建築家や設計者からも高級感があって良いと大好評!空間に“品”が生まれるといった嬉しい声をいただいています。
「形状」「光」「色」の3つのポイントにこだわって作り込まれた、今まで誰も見たことのないダウンライト。
2018年に、「Soft Glareless Down Light」として発売されました。
◇ABOUT PRODUCT◇
シームレスデザインで
点灯時も消灯時も天井に馴染む
「Soft Glareless Down Light(ソフトグレアレスダウンライト)」
なめらかな曲線で構成された形状によって天井と照明器具をシームレスにつなげ、建築空間に理想的な光を届けるダウンライト。
反射板に極力光を当てない配光設計で点灯時のギラつき、消灯時の日光の反射を抑えることが可能に。
従来のホワイト・ブラックの2色に加えてプラチナメタリック色をラインアップし、木質天井への調和を実現した。
形状・光・色の3つの工夫によって建築空間にやさしく馴染む、HomeArchiらしいダウンライトになっている。
吉川がもっとも苦労したと話す、光と外観の美しさのバランス。
驚くことに、どのような光・外観にするかの検証プランは100を超える数になったそう!
そんな膨大なプランをどうやって絞り込んだのでしょうか?
デザインとは、大切な人への「贈り物」
「小さくする」競争から抜け出し、「馴染ませる」という新たなフィールドに挑戦して生まれたSoft Glareless Down Light。
木質天井など住空間の最新トレンドをとらえながら、進化の方向性を大胆に変えるというデザインワークによって、今までにない価値を生み出しました。
これほどシンプルな構成のダウンライトに、デザイン工夫の余地があったことに驚いてしまいますが、今後も照明器具の進化はまだまだ続くと吉川は話します。
最後に、聞いてみました。
――吉川さんにとっての「デザイン」って何ですか?
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