ビルの消費エネルギーをゼンブなかったことに!? 脱炭素社会実現の切り札「ZEB(ゼブ)」って?
買い物に行って、「あれ?先月より値上げしてる?」と思う回数が増えてきたなと感じる今日この頃。
食品だけでなく、電気代やクリーニング代などいろんなところで値上げが加速していて、「あぁ、ちょっとでも節約したい」と雑誌やテレビなどの節約術に目が釘付け…なんて方もいらっしゃるかもかもしれませんね(私)。
その節約術の一つとして、自宅の屋根に太陽光発電を設置する人が増えているとか……。
初期費用はかかるけど、ランニングコストでゼロになるし環境にもいいなんて、とっても魅力的じゃないですか?
そう、まさに
「〝SDGs〟を知れば世界が平和に・・・!👀」
なんてセリフが聞こえてきそうな取り組みなんです。
そしていま、住宅だけでなく、ビルでも、消費エネルギーを実質ゼロにする 「ZEB(ゼブ)」が注目を集めています!
地球温暖化の切り札、ZEBって何?
ではZEBっていったいどういうものなんでしょうか。
あまり聞き慣れない言葉ですよね。
ZEB、それは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を短くした言葉。
会社や学校、ホテルに病院……いろんなビルで省エネして、そこで使われるエネルギーを限りなくゼロに近づけようとする取り組みのことなんです。
仕事や勉強をしている時は気にしないけど、私たちは毎日のように電気やガスを使っていますよね。
でも、「自分が使う分なんて大したことない」って思ってません?
……その考えはもう、ストップ! です。
だって、1人の量は少しでもビルを使ってる人はたくさんいますから。ちょっとした節約がビル全体だと大きな省エネになるんです!
だから、みんなで省エネしてビルで使うエネルギーを減らし、太陽光発電などでビルのエネルギーをつくっちゃおう!というアイデアが、ZEBなのです。
ZEBは〝ネット・ゼロ・エネルギー・ビル〟の略だと言いましたよね?
みんなのアイデアでビルのエネルギー消費量をネット(正味)・ゼロにするのが目標。
使うエネルギーを減らす「省エネ」と、つくるエネルギーを増やす「創エネ」を合わせて、プラスマイナスでゼロにしたら、とっても地球にやさしいビルになりそうですよね
そんなZEBには、4種類あります。
まずは、ビルが使うエネルギーを30〜40%削減した、延べ面積1万平方メートル以上のビルが「ZEB Oriented(ゼブオリエンテッド)」。
そして、エネルギーを、今までの50%以下まで省エネしちゃう「ZEB Ready(ゼブレディ)」。
さらに、省エネと創エネでエネルギーを25%以下にする「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」。
最後に、ビルで使う1年間のエネルギーが、省エネと創エネで実質ゼロ! むしろマイナス!! になっちゃう「ZEB(ゼブ)」。
以上、4種類のZEBがあります。
なんともかっこいいネーミング…ZEB四天王と言っても過言ではありません。
すべてのビルが「ZEB」ならいいのですが…いきなりは難しいですよね。
だからできるところからネット・ゼロ・エネルギーに近づいていこうと、4種類のZEBができたんです。
「ZEBプランナー」にパナソニックも参加!
でも、ZEBってなんだか実現するのが難しそう…と感じる方もいるかもしれません。 そこで、ビルオーナーのみなさんに建築・設備の設計・施行・コンサルなどでお手伝いする法人が「ZEBプランナー」です。
私たちパナソニックも、ZEBプランナーに2019年10月に登録されました。
ZEBは空調・換気・照明・給湯・エレベーターの5つの設備が省エネ対象。OA機器などは設計図に書かれないので対象外なんだそう。
そのうち、空調・換気・照明はパナソニック製品にあるので、その3種類をメインに、ZEBをサポートしています。
ZEBの老人ホームって、なんだか素敵
私たちがご協力したZEBがあります。
その第1号が、沖縄県名護市で2021年6月7日に開所した社会福祉法人 美健会の特別養護老人ホーム「久辺の里(くべのさと)」です。
ZEBの老人ホームって、なんだか素敵ですよね。
久辺の里は「温室効果ガス排出抑制に寄与する建物づくり」がコンセプト。
太陽光発電設備や蓄電池に高効率な空調、空気清浄機(ナノイー)付きのルームエアコンなどを備え、高効率なLED照明を設置。それらをBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)でまとめてコントロールしちゃう、建築面積2914平方メートルの超省エネビルなんです。
めいっぱい省エネを頑張った、久辺の里。
努力のおかげで、50%以下のエネルギー消費量に抑える「ZEB Ready」に認証されました✨
なぜ今、ZEBに取り組むの?
もちろんZEBが環境にいいことはわかります。でも、じゃあ「なぜ今ZEBなのか。」…気になりませんか?
そこで、担当の小西豊樹にそのウラガワを聞いてみました。
小西:『ZEBに取り組むべき』という思いは10年以上前からありましたが、なかなか実現できませんでした。
しかし、『建築物については、2020年までに新築公共建築物などで、2030年までに新築建築物の平均でZEBを実現することを目指す』という政策目標が2014年4月に閣議で決定するなど、徐々に外部環境が整ってきました。
私たちはコアメンバー4人で国のマニュアルを読み込むところからスタート。発足当初にZEBプランナーはゼロだったんです(笑)
少ないメンバーだったパナソニックのZEBチームですが、今ではZEBプランナーが7名に営業スタッフは200名規模になっています。
小西:私たちは建築面積が1000〜3000平方メートル規模の中小ビルオーナーのみなさんにもZEBをご提案できるよう頑張っています。
それができるのも私たちが省エネ製品やサービスをご提供できるメーカーであり、信頼できるネットワークが電材・建築業界にあるからだと思っています。中小ビルこそいま、ZEBに取り組まなければならない……その事実を、多くのビルオーナーさんにお伝えしているところです
私たちがZEBに取り組むことが脱炭素社会実現につながる
パナソニックはZEBを普及する様々な活動をしています。
たとえば、私たちが働く汐留ビルは、省エネ改善活動を14年間続け、2003年の竣工時から51.9%のエネルギーを削減しました!
それから、水素燃料電池や太陽電池、蓄電池で工場が使うエネルギーを100%再生可能エネルギーにする〝RE100ソリューション〟「H2 KIBOU FIELD」という施設で、研究を続けています。
さらに、5万人の島全体を2050年に電力自給率48.9%とするチャレンジ、沖縄県・宮古島の「エコアイランド宮古島」にも協力しています。
なぜ、私たちパナソニックは脱炭素化社会の実現のため、ZEBなどの活動が必要なんでしょうか? 主任技師の西川弘記に話を聞いてみました。
西川:パナソニックは世界に約250の工場があり、2020年度は年間で約50億kWhの電気を使っています。これをCO2に換算すると、約220万トンにもなります。
そして、パナソニック製品は、世界で毎日10億人以上のお客様にご利用いただいています。製品の電力消費でお客様のくらしから間接的に排出されるCO2は、約8600万トンです。
そんなパナソニックグループのグローバル全体の事業によるCO2総排出量は、何と、約1.1億トンにもなります。これは、世界の総電力消費から計算したCO2排出量の約1%にあたる、巨大な量です。
パナソニックは全てを自らの責務と捉え、CO2排出削減に取り組んでいます
そうなんです、私たちが行動することが、未来の脱炭素化社会実現へチョクにつながっているんです!
ビルの消費エネルギーをゼンブなかったことにする!?
ZEBが増えて、脱炭素社会を実現する切り札になれば、
私たちにとっても、そして地球にとってもハッピーですね!
🌍人にも地球にも安心を。
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